本日で9月定例会が閉会となりました。
本議会では一般質問にはじまり、所属の福祉病院委員会、そして決算と多岐にわたる議論がありましたが、本日を持って本議会に上程されていた議案にたいしては全てに賛成、請願については一件賛成、他は反対という立場で表決をしました。
H29.9月定例会の日程が発表されていました! : 岡崎市議会議員 小田たかゆき blog http://bit.ly/2g0Mqvb
本議会での議案にたいする討論は以下のようなものですので、斜め読みをして頂ければと思います。
さて、今回の本会議の最終日の討論では議案とは別に、「議員」「議会」とはいかなる存在であるのか、というやや制度的な議論が展開をされました。
それは、経済建設委員会におけるわたしたちの会派の質疑、意見に対し「議員の存在価値を否定」する発言があったという他会派からの指摘です。かなり強い言葉であったわけなのですが、それまでの経緯はおおよそこういうことでした。
そもそも、今議会では(仮称)乙川人道橋にたいする補正予算が上程をされていました。内容は人道橋の高欄などに取り付ける照明設備を基本設計の段階では描かれていたのにもかかわらず、その後の段階で予算計上するのを失念してしまい、今回、改めてその予算を計上するための増額補正でした。
その議案にたいし経済建設委員会においてわが会派の議員が人的ミスであることを質し、改善を求めた上で、このような質疑をしました。
(今回の増額補正に関わる予算について)市民の皆様へはどのように説明するのでしょうか。
それに対し当局は、
市民の代表である議員の皆様で構成される議会へ議案としてお諮りし、また、公開されている議会を通して市民の皆様へご説明させていただいているものと考えております。
これを承けて、
議員や議会を通してではなく直接生の声を聴いて危機感を覚えていただきたい
と当局にやや強い口調で意見を付しました。
このようなやり取りを承けて、本日の本会議の討論において他会派から先の強い表現とともに、議会基本条例の精神を毀損する発言であるとの主旨で議論が展開されたのでした。
では、この発言の何が問題だったのでしょうか。
前後の文脈を考慮すると、二元代表制の一翼を担う議会の価値を著しく損なうことであったというのが他会派が指摘したポイントではないかと推察されます。
つまり、「行政は市民の声をきくべきである」という考えについてはどこからも反論があるとは考え難いのですが、議会において他ならぬ議員が「行政は直接市民の声をきくべきである」と発言をすると、議会を通り越して行政が市民へ直接説明をすることになり、それは議会を軽視し議員の存在価値を否定しているという解釈につながったのだと考えられます。
とてつもなく意訳すると「俺たちには説明はいいから、まずは市民に直接説明をしろ!」と聞こえたということです。
しかし、かりにそうだとしても(わたしはそのような主旨の発言ではなかったと考えていますし、発言者本人もそういっていますが、議会においては表で述べたことが全てですからね)、今回の発言をもって議会の軽視であり議会基本条例の精神をないがしにするという発言にまで踏み込むにはいささか拙速な判断ではなかったでしょうか。
まずは、行政の市民にたいする説明責任は時代的な要請であり、そこの部分の推進は議会の軽視でもなんでもないはずです。
加えて、議会の監視機能は議会がもつ議決権によって担保されてており、監視機能それ自体であれば、メデイアでも十分役割を果たしていけるはずです。となれば、行政がどこに、どのように説明をしようが、議決権を議会が手放すことがないかぎり行政にたいする監視機能が損なわれることはないはずです。
もうひとつは、議論のさいにも言及しましたが、議会は言論の府であり、自由闊達な言論が保証されています。もちろんだからといって何でもかんでも述べていいわけではないので、そのために議事進行などが制度としてルール化されており、また先人達が積み上げてきた慣習があります。
ただ、その枠内での発言でさえ、残念ながら自らの意見、思想とは異なるものが含まれています。ただ、それでも、そのようなものを内包し、まあまあと諌めながら、じゃあ、ここらへんでいきましょう、と間をとり持つのが話しあいというものではないでしょうか。
かりに自らと違う考えだとしたら、強い言葉で指摘をするのではなく、いささか行き過ぎではないか、と嗜める。このことは、議会だけではなく、いまの社会で必要なことなのかもしれません。それは、寛容とかそんな立派な話しではなく、なんとなく生きやすくするための必要な知恵として、ということですが。
なんだか話しが飛躍しましたが、9月議会が閉会をいたしました。
議会の外では、とんでもない風がびゅんびゅんと吹き荒れているようですので、そこらへんのことも落ち着いたら書きたいと思います。
それでは、また。
⬜︎議会討論内容(一部省略)
9月定例会に上程されております、75号議案他全議案に対しまして賛成の立場からチャレンジ岡崎無所属の会の討論を行います。
■第73号、第74号、第83号議案「岡崎市母子生活支援施設の民営化」
第73号、第74号、第83号議案「岡崎市母子生活支援施設の民営化」についてです。本件は、岡崎市母子生活支援施設の民営化を進めるため、今まで指定管理を担っていた事業者にたいし、財産譲与、土地無償貸し付けをするこで運営を任せ、利用者にたいし継続的な支援を可能にするための議案だと理解をいたしました。これまでは、市と指定管理者の契約を5年に一度見直す必要があり担い手が入れ替わる可能性を含意していました。これは利用者から見ると、安定的な人間関係を毀損するなどのデメリットを有する側面があったと推察をされます。そこで、今回の民営化では、事業リスクは伴うものの、利用者に対し担い手の継続的な支援が期待できること、加えて財産の無償貸し付けにより市と事業者が定期的に協議をする場が担保されていることは評価するところでございます。
■第75/84号議案「財産の譲与について(岡崎市農村婦人の家)
第75号、84号議案「岡崎市農村婦人の家の財産の譲与について」です。岡崎市農村婦人の家の設置目的としての役割を終えたことによる条例廃止、及び、財産譲与であると理解いたしました。今後は地元自治体である牧平自治会が公民館として管理、運用をされていくとのことであります。当自治会の方々への説明を細かく行い、きめ細やかな引継ぎを心がけてきたとのことでもありました。地元の方に今以上に愛される施設となることを願っています。
■第77号議案「工事請負の契約について」
次に第77号議案、JR岡崎駅シビックコア地区のペデストリアンデッキの工事請負契約についてです。一般競争入札にも関わらず、一社しか入札業者がなかったことは鉄道事業者との関連により厳しい参加資格であったことが原因であることを理解いたしました。今後は工事を進めるにあたり安全面からの考慮はもちろんのこと、有料駐輪場と岡崎駅への導線の確保、いわゆる利便性にもなお一層配慮して頂けるようお願いをしておきます。
■第79号議案「岡崎市額田センター条例の制定について」
第79号議案「岡崎市額田センター条例の制定」についてです。本条例は、市民の文化及び教養の向上を図るとともに、市民の交流の場とすることを目的とする額田センターの設置、管理並びに使用料に関し必要な事項を定めるものです。額田会館の稼働率は20%前後ですが、額田センターの稼働率は30%以上を目標にするという意気込みを先の委員会で伺いました。地域住民にとり真の憩いの場となることを期待しております。
■第80号議案「岡崎市図書館条件の一部改正について」
第80号議案「岡崎市図書館条件の一部改正について」です。今回の条例改正では、額田センターの開設に伴い、同センター内に図書館が移転するため図書館の位置、開館時間及び、休館日を改めるものです。特筆すべきは地域住民のニーズが高い、開館時間の延長でございます。これにより、仕事帰りの方や、学生の方にも利用しやすくなり、さらなる利用者の増加につながることを期待しております。
■第85号議案「平成29年度岡崎市一般会計補正予算(第3号)」
第85号議案についてチャレンジ岡崎無所属の会の意見を賛成の立場から款を追って意見を申し上げます。
2款4項1目戸籍住民基本台帳費にの財源更生についてです。住民記録システムの補助金は、経費777万6千円に対し、612万円の交付しかなく、当初予算の10/10ではなく8/10となっています。国に対して、番号制度の整備に関する補助については人口割り頭割りで行わず、10/10の金額交付をするよう要望をお願いしておきます。
2款2項12目(仮称)額田センター建設費についてです。今回の補正はインターネットを使い同センターの申請手続きを行うための通信環境を整備するための増額補正だと理解をいたしました。パソコンの不得意な方々のためにも、これからも書面での申請手続きも存続させることをお願いしておきます。
3款1項1目、社会的困窮者支援事業についてです。現時点で当初の見込みを上回る執行率故に、増額補正であることを理解いたしました。平成26年度からの事業であり、利用人数や平均利用泊数の経年変化を聞く限り規則性が見出しづらいことも理解をしたところでございます。加えて、県内で当事業を実施している自治体は37市中10市である現状を考えますと、利用者の増加理由の遠因ではないかとも思いますが、ぜひ、継続的に実施して頂ければと思います。
8款5項1目、バス路線対策業務についてです。まちバスの路線に東岡崎駅を経由する路線を増設するための増額補正であると理解いたしました。住民の要望があるなかで、バス事業者との関係を維持しつつ競合路線に乗り入れることには大変なご尽力があったと推察されるところでございます。今後とも、民業の圧迫を回避しつつ、事業者、住民、行政がいい関係を築きながら、さらなる利便性の向上にご尽力をしていただけるようお願いをしておきます。
同じく8款5項1目、愛知環状鉄道設備整備補助業務についてです。愛知環状鉄道の改札でICカードが利用できるようにするための増額補正であると理解をいたしました。IC化による利便性の向上により愛知県下の公共交通の沿線にさまざまな経済的効果をもたらすことが期待されるところでございますので、今後、周知にも心がけて頂ければ幸いです。
継続費の8款5項、東岡崎駅周辺地区ペデストリアンデッキ整備事業の増額補正です。ペデストリアンデッキは車、歩行者、自転車など各種異なる交通手段を立体的に交叉させることにより安全性を担保することはもちろん、歩いて楽しい場所を作り、加えて、何気なく立ち止まる滞留空間が立ち上げることで駅前の風景が変化する端緒になると期待をしているところでございます。しかしながら、デッキ下部の空間が日中でも暗く、いわゆるデッドスペースになる事例もあると聞いておりますので、その観点からの導線設計、空間使用を考慮して頂けるようお願いをしておきます。
同じく継続費の8款5項、乙川河川緑地人道橋整備事業についてです。(仮称)人道橋の照明設備費用のための増額補正でございます。ヒューマンエラーかどうかはさておき、照明は必要であると思います。
以上を持ちまして、チャレンジ岡崎・無所属の会の全議案賛成からの討論とさせていただきます。ありがとうございました。