地方から中央を目指す。

明治維新以来、わたしたちの国において、この物語は幾度となく反復され、数々の賛美と羨望、嫉妬と怨念を生み出してきました。

夏目漱石。田中角栄。橋下徹。そして、オグリキャップ。

なんの話しをしようとしているのか忘れそうですが…

そうそう。

その一つの流れとして、地方政治の世界に一つの動きがありました。

東京都議会議員である、音喜多駿氏がクラウドファンディング(ネット上で寄付者を集める仕組み)で1千万円を集め、新党「あたらしい党」を立ち上げたのです(東京都といえでも地方政治ですよね…)。
すごい。

氏は東京都議会議員として2期目。

みんなの党から出馬した後、小池知事が立ち上げた希望の党に初期メンバーとして参加後、離党、そして今回の動きへと繋がりました。
政党の理念としては「あたらしいあたりまえ」を掲げています。

若い世代にとりあたりまえになっていること。

例えば、クラウドファンディングや副業、兼業、などを政治、政党ではいまだ未知の荒野である部分を開拓していくこととしています。

また、「透明性」も重要なキーワードとして掲げられています。

政治家の情報発信、議会の情報発信、行政の手続きの見える化。

これらの方針は必然的に明確なターゲットを定めることになります。

「若い世代と1割の理解ある高齢者」

それについてこう述べています。
高齢者の中にもいろんな人がいて、9割は確かに年金カット反対、医療費自己負担増反対なんですが、残りの1割は「我々はもらい過ぎじゃないか、我々にくれるなら孫にあげてほしい」と考えている。この1割と同世代以下の若い世代を味方につけられれば、既存政党には十分対抗できる。 ここでボリュームゾーンの9割の方に訴えようと耳障りのいい言葉を使ってしまったら、既存政党と正面から張り合うことになる。安全策のようでいて、実はレッドオーシャンに漕ぎ出していって難破するのに等しい。今は前に進むために覚悟を決める時だと思っています。
ここら辺は賛否が別れるところでありますが、いままでなかったタイプの政党であり、今後の動向が注目されます。
なかなかエッジが効いていますね。

こう思うのと、実際に口に出し、動き出すことには大きな乖離があります。

さて、今後は、来春の統一地方選挙に向けて幾人かの候補者を擁立し、ゆくゆくは国政政党を目指す、そう語られていました。

一連の動きを見て、わたしは、やはり都市型政党だな、というのが率直な感想です。

市場原理を取り入れ民主主義を構築しようとする姿勢。小さな政府への指向。明確なターゲット層の確定。ネットを駆使した戦略。

もちろん、見せ方の問題もあるので、実際は泥臭いドブ板などを否定しているものではないでしょうが、こういう表現で既存政党と戦うには都市ではないと難しいよな…

そう一郊外に住む身としては邪推してしまうところです。

オグリキャップになるのか、話題と涙を誘ったハルウララとなるのかはまだわかりませんが、できれば前者を望むものです。


地方から中央へ。

この物語は常に、羨望と嫉妬を生み出します。

それを眺めるわたしも例外ではありません(←余分なことですが一応申し添えておくと、わたし自身がこの政党に入るということはありませんので)。

それでも、流れを掴むことは大切です。

その意味で今後も動きを注意していきたいと思います。