12月議会も差し迫る今日このごろ。
一般質問の準備に追われています。と、書けばさぞ忙しくしているだろうと思われる向きもありそうですが、まあいつものことながらまったく前に進まず、現実逃避をかねここで筆を執ることにしました。
以前もたしかどこかで書いたのですが、一般質問の舞台裏は事前通告→ヒアリング→登壇(50分)という流れで進みます。スケジュール感は各議会により異なるのでしょうが、岡崎市議会では、質問が予定される10日前後前に事前通告が行われることになっています。
今回は一般質問の初日が12月3日。それにたいし事前通告の〆切は11月22日でした。
そういえば、最近、国会ではなにかとこの「事前通告」をしたかどうかについて政府と野党が綱引きをしているのを耳にします。
「事前通告がないので答弁は差し控えたいと思います」
「しましたよ。通告」
一方から見れば、都合が悪いから答えたくないと訝しみ、他方からすれば、ルールに乗っ取り運用しろよ。となるわけですが、なんにしても「事前通告」はひとつの政治的な駆け引きの手段として使用されることになるものです。
話が脇にそれましたが、事前通告した後は、ヒアリングとして担当課と話しあうことになります。
ここで、すこし後の話のために申し添えておくと、一般質問は大きく分けて「追求型」と「提案型」に分類できます。
前者は、行政の矛盾、誤謬を追い求めることを目的としています。粗を探し、不正を見抜き、それを正す。かっこいいやつです。
たいする後者は現在の行政に必要なこと、足りていないと思うことを実施するよう提案することを目的として行われるものです。これやったら?ここの部分足りてないけどこれでどう?という提案です。
で、わたしはほとんどこの「提案型」のスタンスから一般質問をすることが多く、以後はこれについてのお話しになります。
一般質問作成の肝となるヒアリングにおいて、何を聞くのか。どう聞くのか。それについてあーだこーだと話しあいをしつつ、こちらとしてはここらへんが落とし所というところを探っていくのですが、この落ちる場所をめぐるやり取りは、詮ずるに答弁の語尾を巡る争いに集約されます。
そう語尾です…
いかにも些細で瑣末ですが、言葉を重んじる議会ではとても重要な戦いとなります。
提案にたいし当局が答える語尾はおおきく4つあります。
「考えていません」
「研究する」
「検討する」
「やります」
です。
一読しておわかりのことと思いますが、上から順にこの後の態度を表明しています。
「考えていません」はけんもほろろのゼロ回答です。
ここに落とし込まれてはどうしようもありません。むしろ、ゼロ回答を議事録に残すこととなり、しばらくの間、なにかしらの変化がない限り、この回答が当局を縛ることになるので、質問を取り下げるほうが懸命である可能性すらあります。
次が「研究します」。
こちらもゼロ回答に近いのですが、それでも幾分かの可能性を残しています。まあ、ほんとうに僅かなんでしょうが。ちなみに提案型の質問においてもっとも多い語尾がこれです(わたしの実力不足か…)。当局からすれば議員の顔を立てこの語尾を選んでいるのでしょが、これがでれば暫くこの提案は封印されることとなります。合掌。
そして次が「検討する」です。
「語尾闘争」における議員の「勝利」はここにあります。行政用語上、「検討する」は内部においてなにかアクションを起すことを指します。提案を受け入れ、前に進めていくことを表明したことになります。もちろん、だからといってその通りに政策が実行されることはないでしょうが、少なくとも一歩前進したことは確実です。ここに落ちれば御の字。よくやった。となります。
そして最後は「やります」です。
満額回答。満員御礼。なわけですが、ほとんど使われない語尾です。それでも、稀にこれが顔を出します。が、そのさいはその提案は事前に内部で検討が行われており、執行部が発表の機会として一般質問の場を利用していることがほとんどです。
さて、提案型と呼ばれる一般質問の作成は、斯様な「語尾」を巡る闘争です。各議員は当局から「検討する」「やります」を引き出すために、日夜、国県の動向を伺い、データを調べ、他市の状況を聞き取り、当局と調整を繰り返すこととなります。
語尾を引き出すために。
「神は細部に宿る」
些細で瑣末なことですが、語尾こそが一般質問の成否を分ける分水嶺です。
ぜひ、そのへんを考慮して一般質問を眺めていただければと思います。
現実逃避はここまでです。
いまだ未完成な我が一般質問はヒアリング段階においてゼロ回答に近いわけで…
少しでも「検討」に近づけるよう頑張っていきたいと思います。
それでは、また。
一般質問の準備に追われています。と、書けばさぞ忙しくしているだろうと思われる向きもありそうですが、まあいつものことながらまったく前に進まず、現実逃避をかねここで筆を執ることにしました。
以前もたしかどこかで書いたのですが、一般質問の舞台裏は事前通告→ヒアリング→登壇(50分)という流れで進みます。スケジュール感は各議会により異なるのでしょうが、岡崎市議会では、質問が予定される10日前後前に事前通告が行われることになっています。
今回は一般質問の初日が12月3日。それにたいし事前通告の〆切は11月22日でした。
そういえば、最近、国会ではなにかとこの「事前通告」をしたかどうかについて政府と野党が綱引きをしているのを耳にします。
「事前通告がないので答弁は差し控えたいと思います」
「しましたよ。通告」
一方から見れば、都合が悪いから答えたくないと訝しみ、他方からすれば、ルールに乗っ取り運用しろよ。となるわけですが、なんにしても「事前通告」はひとつの政治的な駆け引きの手段として使用されることになるものです。
話が脇にそれましたが、事前通告した後は、ヒアリングとして担当課と話しあうことになります。
ここで、すこし後の話のために申し添えておくと、一般質問は大きく分けて「追求型」と「提案型」に分類できます。
前者は、行政の矛盾、誤謬を追い求めることを目的としています。粗を探し、不正を見抜き、それを正す。かっこいいやつです。
たいする後者は現在の行政に必要なこと、足りていないと思うことを実施するよう提案することを目的として行われるものです。これやったら?ここの部分足りてないけどこれでどう?という提案です。
で、わたしはほとんどこの「提案型」のスタンスから一般質問をすることが多く、以後はこれについてのお話しになります。
一般質問作成の肝となるヒアリングにおいて、何を聞くのか。どう聞くのか。それについてあーだこーだと話しあいをしつつ、こちらとしてはここらへんが落とし所というところを探っていくのですが、この落ちる場所をめぐるやり取りは、詮ずるに答弁の語尾を巡る争いに集約されます。
そう語尾です…
いかにも些細で瑣末ですが、言葉を重んじる議会ではとても重要な戦いとなります。
提案にたいし当局が答える語尾はおおきく4つあります。
「考えていません」
「研究する」
「検討する」
「やります」
です。
一読しておわかりのことと思いますが、上から順にこの後の態度を表明しています。
「考えていません」はけんもほろろのゼロ回答です。
ここに落とし込まれてはどうしようもありません。むしろ、ゼロ回答を議事録に残すこととなり、しばらくの間、なにかしらの変化がない限り、この回答が当局を縛ることになるので、質問を取り下げるほうが懸命である可能性すらあります。
次が「研究します」。
こちらもゼロ回答に近いのですが、それでも幾分かの可能性を残しています。まあ、ほんとうに僅かなんでしょうが。ちなみに提案型の質問においてもっとも多い語尾がこれです(わたしの実力不足か…)。当局からすれば議員の顔を立てこの語尾を選んでいるのでしょが、これがでれば暫くこの提案は封印されることとなります。合掌。
そして次が「検討する」です。
「語尾闘争」における議員の「勝利」はここにあります。行政用語上、「検討する」は内部においてなにかアクションを起すことを指します。提案を受け入れ、前に進めていくことを表明したことになります。もちろん、だからといってその通りに政策が実行されることはないでしょうが、少なくとも一歩前進したことは確実です。ここに落ちれば御の字。よくやった。となります。
そして最後は「やります」です。
満額回答。満員御礼。なわけですが、ほとんど使われない語尾です。それでも、稀にこれが顔を出します。が、そのさいはその提案は事前に内部で検討が行われており、執行部が発表の機会として一般質問の場を利用していることがほとんどです。
さて、提案型と呼ばれる一般質問の作成は、斯様な「語尾」を巡る闘争です。各議員は当局から「検討する」「やります」を引き出すために、日夜、国県の動向を伺い、データを調べ、他市の状況を聞き取り、当局と調整を繰り返すこととなります。
語尾を引き出すために。
「神は細部に宿る」
些細で瑣末なことですが、語尾こそが一般質問の成否を分ける分水嶺です。
ぜひ、そのへんを考慮して一般質問を眺めていただければと思います。
現実逃避はここまでです。
いまだ未完成な我が一般質問はヒアリング段階においてゼロ回答に近いわけで…
少しでも「検討」に近づけるよう頑張っていきたいと思います。
それでは、また。