昨日、岡崎小学校でおこなわれた「ダイヤモンド・プリンセス」号の乗客乗員が開院前の藤田医科大学岡崎医療センターに受け入れられたことについて行われた説明会の議事録と質疑応答が岡崎市のHPにアップされていました。
これで、2回の住民説明会がおこなわれたこととなり、いまの時点でわかっていることを列挙させていただきます。
【1.経緯】
□藤田医科大学病院
2月16日(日)→厚生労働省から藤田医科大学へ受け入れの要請
2月17日(月)早朝→藤田内で緊急会議、受け入れの方向性を確認
同日→藤田各種調整、準備
□愛知県
2/16(日)夜→厚労省から藤田への依頼を知り、受け入れの決断
□岡崎市
2/16(日)夕方→厚労省から連絡。受け入れが進められているという報告
2/17(月)→藤田と厚労省が市長へ経過の報告
2/18(火)→HP上にて市長のコメント発表
同日18時→@シビックセンターにて住民説明会
□岡崎市教育委員会
2/17(月)午後→インターネットのニュースで受け入れの報道を知る
同日夕刻→保健所から受け入れとの連絡。小学校校長に連絡
2/18(火)→今後の対策などを勝浦市教育委員会にヒアリング
同日→指導主事を岡崎小学校に派遣、状況把握、支援
2/19(水)→校長会議にて対応、対策を共有
同日→愛知県教育委員会をはじめとした関係各所へ支援の依頼
2/21(金)19時→岡崎小学校で保護者、関係者対象の説明会を開催
となります。
まとめると、2/17(日)の夕刻から夜にかけて国から藤田への連絡、お願い、また愛知県、岡崎市への連絡がおこなわれ、翌18日の月曜日の早朝に藤田が決定。その後、藤田が各主体に連絡にまわっている最中、つまり同日昼前後に報道機関が受け入れを発表。その間も、愛知県、岡崎市は各主体との連携や調整を行い、翌日19日に正式発表、18時より地元説明会を開催と流れであったことがわかります。また、岡崎市教育委員会はネットニュースで情報を得た後、早い段階で情報収集、また必要な主体への連絡、相談をおこなってきたことがわかります。
ここからは主観的な話しですが、クルーズ船の乗客の受け入れ先の確保が刻一刻と迫るなかで、各主体は迅速な判断と対応をしてきたように思います。一方で、受け入れ先の自治体と病院に隣接する保護者の方々が不安になる気持ちも十分に理解できるところです。それでも、この時系列を鑑みれば、18日と21日というかなり早い段階で説明会を実施したことについては、岡崎市と教育委員会、そしてなにより藤田医科大学の誠意だと捉えてもいいのではないかとおもうところです。
【2.病院の体制】
2度の説明会では以下の点が確認されています。
・接触感染、飛沫感染がおもである今回の感染症は滞在者を4F~6Fの閉鎖空間で経過観察を行う
・陽性反応があり、発症が疑われる患者についてはすみやかに指定感染病院へ搬送される
・なかでは完璧なゾーニングを行う(滞在者の受け入れルート(入口から4Fまでの導線)はレッド〜ゾーンとされる)
・滞在者に接触する必要のあるスタッフは限られた人数であり、そのスタッフには勤務外においても不要不急の外出をしないようお願いしている
・受け入れる滞在者は児童と接触することがないよう、深夜の時間に到着とする
などなどです。
素人ながらおもうところは、藤田病院内の体制は感染症科の医師を配置し専門家がことにあたっていること、また一部報道でいわれているようなクルーズ船のオペレーションと病院のそれとでは、まったく状況が違うということを考えれば、院内における体制は十分信頼に足るものであるとわたしは考えています。みなさんはどうでしょうか。
【3.病院外の体制】
・風評被害
こちらはこれから配慮していかなければならないことですが、実際にいくつかの事例を耳にしています。岡崎市の有志の団体が物資を送ったりしていると聞いているところですが、これこそ、わたしたちがしっかりと情報発信をしていくことで微力ながら対抗したいとおもっているものです。加えて、報道各社にはぜひ抑制的な報道をお願いしたいとおもいます。
・児童、保護者
こちらは昨日の説明会でもっとも重点的に説明されたことのひとつです。
教育委員会は現在のところ、
①岡崎小学校へマスク、消毒液の物資の支援
②愛知県より臨床心理士の派遣
③文部科学省より教科調査間の派遣
がおこなわれています。
また報道陣にたいし、子供への取材の配慮のお願い、また岡崎市内の学校にたいし、感染予防の徹底、風評被害や人権侵害がおこらない指導の徹底、などを指示しているとのことです。
こちらについてはまだまだ予断を許さない局面であるとおもいますが、教育委員会では必要な対策をなるべく、迅速に打っていることは評価できると思います。わたしの立場からもできることはおこなっていきたいと思います。
【4.現在のところ】
いままでの一連の経緯と対策を列挙させていただきました。現在のところわたしが一番危惧してきたのは、今回の決断とそれに到る説明の齟齬があり、住民や市民のみなさまに不信感、不満を抱かれてしまいかねない事態となったことです。それについては申し訳ありませんでした。
それに関し、すでに起こってしまったことであり、それ自体を挽回することはなかなか難しいものではありますが、そこに到る経緯をあらためて眺めると、そのなかでは比較的迅速に説明をしようとしてきたことです。
他方で、まだまだはじまったばかりです。今後、いろいろなことが起こる可能性があるわけですが、そのさいはしっかりと対応していただけるよう今後もわたしの立場から出来る限りのことはしていきたいと思います。
また、なにかお気づき、ご心配、ご不安なことがありましたら、いつでもご連絡いただければ幸いです。