こんばんは。

岡崎市議会議員の小田たかゆきです。

さて、本日から3回にわたり、令和元年6月定例会での一般質問についての内容を記載していく恒例のこの企画(当社調べ)をお送りしていきたいと思います。

なお、当局の答弁内容は議事録ではありませんのでご注意ください。

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というこで、本日は「子ども若者とひきこもりについて」です。

ひきこもり、そして高齢者の親と、ひきこもりの子どもをもつ家庭で双方が困難に陥っている状況を指摘する、8050問題がひろく注目を集めており、昨年の12月議会で同様の主旨で質問をしました。

そこで、少しだけ12月議会の議論を振り返っておきます。
H30.12月の話題はこちらから↓
子ども若者総合相談センターの設置を提案しました- 一般質問の内容その① -
http://odatakayuki2016.blog.jp/archives/29927465.html
まずは数字の部分。

岡崎市内の推計として40才以下のひきこもりは約1,800人にも上ることがわかり、その関係者も含めると多くの人がこの問題に困っていることが推察されます。

他方で、数字以上に問題なのは、現行の体制では支援が難しいことです。

ざっと挙げるだけでも、課題が抱える複雑性、複合性とそれに対応する担当課、部署の連携の問題、支援者と相談者の信頼関係を構築する難しさ、有効な支援方法の不在など、多くの課題を抱えていることを指摘させていただきました。

そこで、「子ども若者総合相談センター設置」の提案をしたわけです。

これは、当事者やその家族に寄り添う形での支援を特徴とし、加えて、有効な支援策だといわれる居場所の提供などを行うことを可能とする専門機関です。

担当課を一本化し、相談者と伴走できる相談員は信頼関係を構築することを可能とし、支援において有効なプログラムを構築できる専門家を備えているのが、このセンターの役割であり、岡崎市が抱える支援体制、組織体制の課題にたいし、かなり有効な手立てになるはずです。

で、そのさい答えはこうでした。
本市におきましては、先ほどのとおり、それぞれの施策の中で子供、若者に対する相談窓口を設けており、十分対応できていると考えるため、新たな相談窓口の設置については予定しておりません。
(H31.12月答弁より引用)
ゼロ回答。

そう呼ぶにふさわしい事態だったわけです。

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これで引き下がるわけにはいきません。というのも、12月議会から半年間、ひきこもりを巡る状況がおおきく変化したからです。

凄惨な事件などによる、ひきこもり、8050問題への注目。初めてとなる内閣府による40代以上のひきこもりの調査。それを受けたNHK等による特集番組など、社会問題として耳目を集めることとなりました。

そこで今回、再度、その子ども若者総合相談センターの設置を促すため壇上へ上がったのでした。
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そこで、まずは内閣府がはじめて調査した40代以上のひきこもりの状況、そこから推察できる岡崎市の状況について確認しました。
平成30年12月に内閣府が40歳から64歳までの5,000人を対象に実施した「生活状況に関する調査」によると、…(中略)…全体で約1.45%の割合でひきこもりが存在すると報告されています。この結果を参考に算出した本市の40~64歳のひきこもり者は約1,900人となります。これに12月定例会の議員の御質問に回答させていただきました、15歳から39歳までのひきこもり者、約1,800人を加えると、約3,700人になります。
全体で約3,700人。岡崎市内では100人に1人が「ひきこもり」であると推計されたことになります。これに関係者を含めると万の単位で困っている人がいると推察してもけっして無理筋ではないはずです。

ただ、これはあくまで推計ですので、本市独自の調査のがあると思うところ。

12月以上に数字が膨らみ、課題の複雑化について共通認識を得られたはず。

となれば、一気呵成に本丸へ歩を進めるべきなのですが、ひとつだけ回り道をしなければならない状況がありました。

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それは先般発表された「福祉総合相談窓口」の設置です。

この方向性が示されたさい、ひきこもり、8050問題についてもなんらかの具体的な対応をしていくという答弁がありました。

もし、かりに福祉総合相談窓口が設置され、それが有効な解決策となるのであれば、わざわざ「子ども若者総合相談センター」を設置する必要はありません。

そこで、そこを確認するため、福祉総合相談窓口の役割、そして、それがひきこもり、8050問題にたいしどのようや役割をに担うかについて質すと、以下のような答弁がありました。
「福祉総合相談窓口」は、複数もしくは制度の間にある課題を抱える世帯の相談に応じる窓口として開設を目指しています。ひきこもりの子を抱える親が高齢者となり、それぞれに支援が必要となる「5080問題」などに対して「福祉総合相談窓口」では、それぞれの課題を抽出するとともに「ひきこもり」の内容や状況を分析し、それぞれの課題を担当する部署につなげる役割を担います。また、「福祉総合相談窓口」が担う役割を周知することで、利用者は相談窓口の存在を知ることとなり、速やかな支援を受けることができるようになります。
答弁から福祉総合相談窓口は、内容を分析し、つなぎ、速やかな支援、を可能にする役割を担うことが明らかになりました。

これは重要ですが、冒頭で述べたように、「子ども若者総合相談センター」の役割は、当事者やその家族に寄り添う形での支援を特徴とし、加えて、有効な支援策だといわれる居場所の提供などを行うことを可能とする専門機関です。

福祉総合相談窓口はそうではなく、繋ぐ役割を担うわけです。専門機関ではないのです。

ただ、指摘するまでもなく、二つのセンターは共存できるものであり、むしろ、そうすべきです。

福祉総合相談窓口を築いた上で、子ども若者総合相談センターを設置することがより充実した支援を可能とするからです。

ここまでくれば、あらためて、子ども若者総合相談センターの設置を伺うわけです。
今後、福祉総合相談窓口が整えられることにより、教育と福祉や子ども、保健部門との連携も図ることができ、ひきこもりを含めた相談窓口がより充実するものと考えております。現時点では、子ども若者総合相談センターの設置については考えておりませんが、福祉総合相談体制を構築していくなかで、研究してまいります。


考えてはいないが、研究していく。

そう、いかにも苦しそうな答弁ですが、ただ少なくともゼロ回答であった前回よりは、半歩でも前進したとポジティブに受け取っておこうと思っています。

ひきこもり、そして、8050問題は、これからさらに表面化してくることが予想される問題です。

だからこそ、さらに前に進んでいくよう、これからも提案していきたいと思います。

それでは、また。



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