乙川リバーフロントフォーラム「動き出す、QURUWA」を拝聴してきました。

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リバーフロント計画は中心市街地の再開発計画として進められている事業であり、いよいよ3年が経ちすこしづつ目に見えるかたちとなってきています。

そう、あの東岡崎の北東の工事、人道橋の建設、中央緑道の工事などなどです。

ただ、まだまだ体感できるところは少なく、抽象的でわかりづらいという話しも一方であるわけですが…

そこで、この計画。

誤解を恐れずにあえて煎じ詰めて言えば、

それは、「いろんな人が歩き、ぶらぶら、だらだら過ごしてもらいましょう」です。

はい。誤解を招きますね。この表現。そんなんに多額の資金を投じるとはけしからん、と怒られそうですが、あながち間違っていないと思っています。

今回の報告の中にもありましたが、当事業で社会実験として動線上においてさまざまなプロジェクトが行われたことがありました。これは道路空間を使用しながら、日常としてこの町をいかに使用することができるかを実験したものであり、カフェがあったり、広場にテーブルや椅子を並べてくつろげる空間を設えたりすることで、なんだか楽しそうな街路を演出するものです。

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一見ふざけているように見えますが、ここにはすごく重要な意味がこめられています。

というのも、街の再興はいかに一人頭の滞留時間を増やすのか。そこに掛け金が置かれています。

みなさんもどこか好きな街を想い浮かべて欲しいのですが、好きな街を思い浮かべるときわたしたちは「街路」のイメージと共にその街が脳裏を横切るのではないでしょうか。

京都の先斗町、伊勢のおかげ横丁、大阪の道頓堀、東京の浅草寺、パリのカフェ、ニューヨークのとあるストリート。

不思議と愛着のある都市や町は、道に紐付けされているのです。

そして、追想されるのは行き交う人の姿や、珈琲を飲みながら眺めた都市の喧騒であり、酔客が千鳥足で歩く石畳の光景です。

なんだか胡散臭い話しで恐縮ですが、結局は街とは目的もなく漂う人と、それを目的もなく眺める人が一定数いることで成立しているものであり、そうならなければ、人はわざわざ重い腰をあげてそこに行こうとは思わないはずです。

もちろん、いま現時点でそのような状態にはありません。これからそのようなコンテンツをいかに引き出すかが問われてくるところです。

しかし、当面そこを目標(だらだら、ぐだぐだできる場所)にして各事業を展開していくことは、私は賛成です。

たぶん、難しく言えば、乙川リバーフロント計画は、乙川周辺は多くの公共用地が戦後復興期を除き、そのままにされてきた地域にたいし、「QURUWA」という回遊動線を定め、その動線上に関連する地域の価値を向上させることを目的とし、そのために、公だけではなく、民も同時に役割分担をしながら資本を投下する、いわゆる公民連携という手法を取り、民間の活力を生かしエリアの価値の向上を図っていく。

そう言えそうです。

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もちろんそのような言い回しは必要ですが、やはり、この計画は何?と聞かれたら、だらだら過ごせるところが楽しいよね〜と答えて行きたいと思います。

まだまだ続く計画です。

今後もしっかりと注視しつつ、提言をしていければと思います。

それでは、また。