今週は視察が続きます。
今日は我孫子市の「提案型公共サービス民営化制度」について視察をしてきました。
当市のHPにはこの制度について以下の説明があります。
提案型公共サービス民営化制度は、市のすべての事業を公表し、民間からの委託・民営化の提案を募る制度です。
http://www.city.abiko.chiba.jp/shisei/gyoseikaikaku/mineikaseido/gaiyou.html
現在、多くの自治体では民間を活用した事業が進められているのは周知の事実です。PFIやPPPなど横文字ばかりの手法ですが、要は公共がになってきた事業を民間とともに勧めていきましょう、という話しです。が、多くの民間活用は公共が発注者であり、民が受注者であるという構造にはあまり変化がありませんでした。
このようななかで、最近は公募型プロポーザル方式などが取り入れられ、事業にたいし民間から提案を受け入れ、優れているものに発注をするという方式が注目を浴びています。
しかし、いくら公募型プロポーザルで民間との協働を模索しても、どの事業を民間に開放するのかを決定するのはあいかわらず自治体側であり、そこの差配にたいし、さまざまな思惑が働いている可能性があります。
今回視察をした我孫子市は、さきの定義にもあったように、「すべての」事業を公表し、民間からの委託・民営化の提案を募る制度を採用した自治体です。
すべての事業を晒したのは、とりあえず、どの事業が民間開放可能で、それが無理かを判断する基準がなかったことが大きかったとのことでした。無理な理由を挙げればきりがないということですね。
で、平成18年から始めた事業でしたが断続的に5回募集をかけ応募件数は130件、審査したのは109件、採用したのは60件とのことでした。
この数字が多いのか少ないかは判断することはできませんが、成果としては以下3つをあげられておりました。
①サービス向上とコスト削減を実現
②事業と団体との新たな結びつき
③職員の意識改革を促す
どれも、とりあえずすべてを外部にさらしてみることで、その過程を通じ、職員の意識が改善され、また外部との対話を通じさまざまな意識改革が促されたのだと思います。
もちろん、このような大胆な試みをするには、首長の権限によるしかなく、いわゆるトップダウンにより動かしていくしかないはずです。そして、担当者のかたも言葉を濁していましたが、内部における軋轢も相当あったと思われます。
もちろん、大鉈を振るような改革がすべてにおいて正しいとは思いませんし、自治体というものを考えるときには慎重にあるべきだと思っていますが、ときに、このような思考を持って、事業を考えていくことは大切ではないかと考えさえられました。
岡崎市においても来年度から組織編成により「公民連携課」が新設をされます。
公共サービスの質の向上、またコスト削減は今後も重要なテーマであり、その達成には民とともにやっていくという流れは今後も続いていくものだと思います。
その部分には注力しながら活動をしていきます。
では、また。