地域にお寺を守っている方からお話を聞きました。
宮本常一という民俗学者に「忘れられた日本人」なる有名な著書がありますが、その中の一編に「村の寄りあい」があります。

非血縁的な地縁集団が比較的つよりところ…では早くからお互いの結合をつよめるための地域的なあつまりが発達した。この集まりを寄りあいといっている。

と述べ、寄りあいは、武士の集まりである衆が、地蔵講、念仏講などの宗教的な集いから発達したものではないかとしています。

この寄りあいは隠居したばあさまたちが集まるものが多く、かつては閉鎖的であった村のさまざまな問題を、なんとなしにここで話し合い、村の女衆の潤滑油となっていたのであり、だからこそ年長者の経験は尊ばれていたと指摘していました。

村の寄りあいという風習がなくなりもう随分な時間が過ぎ去りました。

それでも、今日お話した方は子どもの頃の記憶としてそういう雰囲気を肌身で知っており、だからこそ、お寺が地域で果たす役割の重要性がわかるのではないでしょうか。

お寺の再建などという大層なことが出来るほどわたしには力はありませんが、せめてなにか出来ればとも思います。

それでは、また。