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福祉を地域で担う。 

住み慣れた地域で福祉を提供できる体制をいかに構築してのか、それがいま求められています。厚労省はそれを地域包括ケアシステムと名付け、こう定義しています。

厚生労働省においては、2025年(平成37年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進

住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けること。叶うなら、誰もが望む最期ではないでしょうか。

ただ、理念を現実に落とし込むことことは、いつの時代も困難なものです。

今日、視察をしたのは「なのはな茶屋」と冠した高齢者の集まる居場所づくりの試みでした。 これは、岡崎市の地域包括ケアを担う主体である地域包括支援センターが事業主体となり、展開している事業です。

取り組みとしては、お茶を飲みながら、脳トレや体操をすることで、介護予防を行うことです。加えて、地域の方と相互に触れ合う機会をつくることで社会的な関係性を保ち続ける効果も期待されています。

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さて、今日の舞台は神社の脇に設置された公民館でした。

それで思い出したのですが、町の神社仏閣が高齢者の寄り合いの場所として機能していたと聞いたことがあります。 姑として隠居した高齢者が集まり、ときに町の若い衆の揉め事を調整したり、ときに若い嫁の悩み事を聞いたりしていたとされています。

つまり神社仏閣はながいあいだ村の寄り合いの中心として機能してきたのです。

地域での福祉。

こう聞くと、なんだか新しいことをやっている気になりますが、いつの時代も、ご隠居さんが集まる場があり、その場はいくつもの機能が詰め込まれていたのではないでしょうか。

とすれば、地域包括ケアシステムとは経済成長の過程でひととき忘れさられた共同体を持続する知恵を、もう一度作り直そうとする試みでしかないのかもしれません。

関係者のみなさんには、この場を借りて改めて敬意を表します。

お疲れ様でした。