いくつか本を読んだので備忘録として。
久しぶりにぐいぐいと来たのが「裸足で逃げる-沖縄の夜の街の少女たち」です。著者は沖縄出身の教育学を専攻している方ですが、本書は学問としてより(学問的な評価が私にできるわけもないのですが)、その調査対象の少女たちに寄り添い、彼女たちから紡ぎだされる言葉を丁寧に聞き取り、書き記していくところが印象的です。
彼女たちが問いかけてくるものは、なんといっていいのか漠然とですが、とても社会的なものであり、政治的なものです。ただ、「沖縄」の問題を語れるほどの力は私にはありません。が、貧困の連鎖や島社会特有の人間関係のなかで、少女たちが「成熟」を強いられている(一種の語義矛盾かもしれませんが)現状は読み進めていて、とても暗い気持ちになります。
本書の題名が示唆しているように、彼女たちは「裸足で逃げる」ことができるのでしょうか。かりに、彼女たちが「逃げ」られたとして、その先になにがあるのでしょうか。いや、裸足で逃げるのではなく、せめて「靴」くらいは社会が差し出せないのでしょうか。
いくつものことを考えさせられる良書です。
二冊目はこれ。
いわずと知れた村上春樹氏の最新作。今回は二部作として発売されましたが、やはり、春樹はおもしろいですね。「父」を殺し、「子」が生まれる。「父」を殺すことはいままで何度も描かれてきたモチーフですが、ついに「子」が生まれました。生物的にどうこうではなくです。これはいままでにはない展開で、3.11以後の社会状況をとらえていくには一つ示唆的な物語なのかもしれません。
昨年息子が生まれた身としても、考えさせられる内容でした。
久しぶりにぐいぐいと来たのが「裸足で逃げる-沖縄の夜の街の少女たち」です。著者は沖縄出身の教育学を専攻している方ですが、本書は学問としてより(学問的な評価が私にできるわけもないのですが)、その調査対象の少女たちに寄り添い、彼女たちから紡ぎだされる言葉を丁寧に聞き取り、書き記していくところが印象的です。
彼女たちが問いかけてくるものは、なんといっていいのか漠然とですが、とても社会的なものであり、政治的なものです。ただ、「沖縄」の問題を語れるほどの力は私にはありません。が、貧困の連鎖や島社会特有の人間関係のなかで、少女たちが「成熟」を強いられている(一種の語義矛盾かもしれませんが)現状は読み進めていて、とても暗い気持ちになります。
本書の題名が示唆しているように、彼女たちは「裸足で逃げる」ことができるのでしょうか。かりに、彼女たちが「逃げ」られたとして、その先になにがあるのでしょうか。いや、裸足で逃げるのではなく、せめて「靴」くらいは社会が差し出せないのでしょうか。
いくつものことを考えさせられる良書です。
二冊目はこれ。
いわずと知れた村上春樹氏の最新作。今回は二部作として発売されましたが、やはり、春樹はおもしろいですね。「父」を殺し、「子」が生まれる。「父」を殺すことはいままで何度も描かれてきたモチーフですが、ついに「子」が生まれました。生物的にどうこうではなくです。これはいままでにはない展開で、3.11以後の社会状況をとらえていくには一つ示唆的な物語なのかもしれません。
昨年息子が生まれた身としても、考えさせられる内容でした。
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